福岡高等裁判所 昭和27年(う)576号 判決
論旨によれば、被告人等の所為は、機船底曳網漁業の単なる準備行為に過ぎず、未だ同漁業を営んだものには該当しないというのであるが、被告人らは右説示のように、禁漁区域において漁獲する目的を以て、機船底曳網漁業用の機船二隻を使用し、同両船により同漁業用の漁網を海底に卸し、現にこれが曳引を開始したものでありこのように、水産動植物採捕の目的をもつて機船底曳網漁業用の機船二隻を使用し、同両船により、同漁業用の漁網を海底に卸した上、現にこれが曳引を開始した以上、たとえ漁獲の事実がなく、或いは、機船への漁網の引揚若しくは、所期の目的地点までの漁網曳引の事実がなくとも機船底曳網漁業取締規則第八条にいう機船底曳網漁業を営んだものに該当するものと解するのが相当である。